マナビングITパスポート

マーケティング戦略の違いと顧客層を絞り込む手法の見分け方

ITパスポート試験 令和4年度 問2 / 経営戦略マネジメント › マーケティング

過去問にチャレンジ

令和4年度 問2

年齢,性別,家族構成などによって顧客を分類し,それぞれのグループの購買行動を分析することによって,集中すべき顧客層を絞り込むマーケティング戦略として,最も適切なものはどれか。

  1. ア

    サービスマーケティング

  2. イ

    セグメントマーケティング

  3. ウ

    ソーシャルマーケティング

  4. エ

    マスマーケティング

会話形式の解説

講師講師
今回はマーケティング戦略の用語問題です。問題文のポイントは二つあります。「顧客を属性で分類すること」と「重点を置く層を絞り込むこと」です。この二つに当てはまる言葉を選びます。
受験者受験者
選択肢がどれも「〇〇マーケティング」というカタカナ語なので、私は名前だけだと区別しにくいです。
講師講師
それぞれの言葉が何に注目しているかで整理すると分かりやすくなります。対象が形のないサービスなのか、目的が社会的な課題の解決なのか、市場を分けるのか分けないのか、という観点です。
受験者受験者
「分類して絞り込む」なので、市場を分ける側の考え方ですね。セグメントは「区分」という意味だったと思うので、セグメントマーケティングが合いそうです。
講師講師
そのとおりです。セグメントマーケティングは、市場を属性やニーズで複数のグループに分け、狙うグループに合った施策を行う戦略です。年齢・性別・家族構成で分類し、購買行動を分析して集中する層を選ぶという問題文の内容と一致します。
受験者受験者
マスマーケティングは、逆に市場を分けない方法でしょうか。
講師講師
はい。マスマーケティングは、市場を分けずに不特定多数へ同じ商品や広告を展開する手法です。テレビコマーシャルのような大規模な宣伝を使い、大量生産・大量流通と結び付いています。特定の層に集中する今回の戦略とは正反対の考え方です。
受験者受験者
ソーシャルマーケティングは、SNSを使った宣伝のことだと思っていました。
講師講師
そこは誤解しやすいところです。試験で扱うソーシャルマーケティングは、社会的な課題の解決や公益・福祉の向上を意識したマーケティングです。環境保護や健康増進、交通安全など、望ましい行動を促す取り組みが例です。顧客層を分類して販売につなげる話とは趣旨が違います。
受験者受験者
サービスマーケティングは、サービスを売るためのマーケティングという理解で合っていますか。
講師講師
おおむね合っています。形のないサービスを対象に、無形性という特性に合った手法を考え、品質や提供の過程を重視して顧客満足や継続利用につなげることを目指します。注目点は商品の性質なので、顧客を属性で分けて層を絞る話とは違います。
受験者受験者
整理すると、市場を分けて狙う層を選ぶのがセグメント、分けずに全体へ向けるのがマス、社会的な課題に向けるのがソーシャル、無形のサービスが対象なのがサービス、ということですね。
講師講師
よく整理できています。補足すると、市場をグループに分けることを市場細分化(セグメンテーション)といい、基準には年齢、性別、家族構成、所得、地域、価値観、購買行動などがあります。STP分析はセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの三つから成り、セグメントマーケティングはこのうち「分ける」と「狙いを定める」に当たります。似た問題では、特定の言葉があるかどうかではなく、属性で市場を分けて狙う層を選んでいるかで判断してください。

まとめ

年齢・性別・家族構成などで顧客を分類し、集中すべき層を絞り込むマーケティング戦略は、セグメントマーケティングです。市場を属性やニーズで複数のグループに分け、狙うグループに合った施策を行います。マスマーケティングは市場を分けずに不特定多数へ同じ施策を展開する手法で、セグメントマーケティングとは対照的です。ソーシャルマーケティングは社会的な課題の解決や公益を意識したもの、サービスマーケティングは無形のサービスを対象にしたものです。STP分析のセグメンテーションとターゲティングと結び付けて覚えると整理しやすくなります。

解答・解説

正解はイです

この問題のテーマ

年齢・性別・家族構成などで顧客を分類し、集中すべき顧客層を絞り込むマーケティング戦略を何と呼ぶかを問う、用語の問題です。

解き方の考え方

まず問題文の要点を確認します。「顧客を属性で分類する」ことと、「重点を置く層を絞り込む」ことの二つです。次に、それぞれの選択肢がマーケティングの何に注目した言葉なのかを考えます。対象が無形のサービスなのか、目的が社会的な課題の解決なのか、市場を分けるのか分けないのか、という観点です。この二つの要点に当てはまるのは、市場をグループに分けて狙いを定める手法だけです。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  サービスマーケティング
    サービスマーケティングは、形のないサービスを対象にしたマーケティングです。サービスの無形性という特性に合った手法を考え、品質や提供の過程を重視して、顧客満足や継続利用につなげることを目指します。顧客を属性で分類して層を絞り込むという本問の内容とは、注目している点が違います。
  2. ○イ  セグメントマーケティング
    セグメントマーケティングは、市場を属性やニーズによって複数のグループに分け、狙うグループに合った施策を行う戦略です。年齢・性別・家族構成で顧客を分類し、グループごとの購買行動を分析して集中する層を選ぶという問題文の内容と一致します。
  3. ×ウ  ソーシャルマーケティング
    ソーシャルマーケティングは、社会的な課題の解決や、公益・福祉の向上を意識したマーケティングです。環境保護や健康増進、交通安全など、望ましい行動を促す取り組みが例として挙げられます。顧客層を分類して販売につなげるという本問の趣旨とは異なります。
  4. ×エ  マスマーケティング
    マスマーケティングは、市場を分けずに、不特定多数の人へ同じ商品や広告を展開する手法です。テレビコマーシャルのような大規模な宣伝を使い、大量生産・大量流通と結び付いています。特定の層に集中する本問の戦略とは正反対の考え方です。

補足

似た問題に出会ったときは、特定の言葉が出てくるかどうかではなく、「属性で市場を分けて、狙う層を選んでいるか」という考え方で判断すると、セグメントマーケティングを見分けやすくなります。市場を分けずに全体へ同じ施策を行うのがマスマーケティングで、両者を対比して覚えると整理しやすいです。ソーシャルマーケティングは、社会的な課題の解決や公益・福祉の向上を意識したマーケティングとして押さえておきましょう。

POINT

  • セグメントマーケティングは、市場を属性やニーズで複数のグループに分け、狙うグループに合った施策を行う戦略です。
  • 市場をグループに分けることを市場細分化(セグメンテーション)といい、分ける基準には年齢、性別、家族構成、所得、地域、価値観、購買行動などがあります。
  • STPは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの三つの要素から成ります。セグメントマーケティングは、このうち前の二つ(分けることと狙いを定めること)に当たります。
  • マスマーケティングは市場を分けずに不特定多数へ同じ施策を展開する手法で、セグメントマーケティングとは対照的です。

※出典:令和4年度 ITパスポート試験 問2