MAとRPA・POS・BIを手がかりの言葉で見分ける
ITパスポート試験 令和6年度 問1 / 経営戦略マネジメント › マーケティング
過去問にチャレンジ
マーケティングオートメーション(MA)に関する記述として,最も適切なものはどれか。
- ア
企業内に蓄積された大量のデータを分析して,事業戦略などに有効活用する。
- イ
小売業やサービス業において,販売した商品単位の情報の収集・蓄積及び分析を行う。
- ウ
これまで人間が手作業で行っていた定型業務を,AIや機械学習などを取り入れたソフトウェアのロボットが代行することによって自動化や効率化を図る。
- エ
見込み顧客の抽出,獲得,育成などの営業活動を効率化する。
会話形式の解説
講師今回はマーケティングオートメーション、略してMAの意味を問う問題です。選択肢には、ほかのIT用語の説明が混ざっています。それぞれがどの用語の説明なのかを見抜くのがポイントです。
受験者私はカタカナ語や略語の区別が苦手で、MAとRPAのどちらも「オートメーション」なので混ざってしまいます。
講師まずは名前から考えましょう。「マーケティング」と「オートメーション(自動化)」なので、MAはマーケティング活動を自動化して効率を上げる仕組みです。では、ソフトウェアのロボットが定型業務を代行するという説明は何だと思いますか。
受験者「ロボット」とあるので、それがRPAでしょうか。自動化という点はMAと同じように見えます。
講師そうです。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、データ入力や転記など、手順の決まった事務作業を自動化するものです。自動化という点は同じですが、対象が違います。MAが自動化するのはマーケティング活動、RPAが自動化するのは定型的な事務作業です。
受験者では、企業内の大量データを分析して事業戦略に活かすという説明はどうですか。マーケティングにもデータ分析は使いそうなので、迷いました。
講師よく迷うところです。社内に蓄積した大量データを分析して戦略に役立てるのは、データマイニングの説明です。BI(ビジネスインテリジェンス)の説明と考えることもできます。MAは見込み顧客に働きかけて営業につなげる仕組みで、社内データ全体の分析が中心ではありません。
受験者小売業やサービス業で、商品単位の販売情報を集めて分析するという説明は、レジのシステムのことでしょうか。
講師そのとおりです。POS(販売時点情報管理)といい、販売時点で日時・商品・数量などを記録して、売上分析や在庫管理に使います。顧客の育成や営業の効率化を目的とするMAとは別物です。
受験者残るのが、見込み顧客の抽出・獲得・育成で営業活動を効率化するという説明です。顧客を見つけて育てる流れなので、これがMAですね。
講師正解です。手がかりになる言葉を整理すると、「大量データの分析」はデータマイニングやBI、「商品単位の販売情報」はPOS、「ソフトウェアのロボット」はRPA、「見込み顧客の育成」はMAです。
講師補足すると、MAの機能には、メールの自動配信や、Web閲覧などの顧客の行動の追跡があります。ただし、MAの役割は見込み顧客を商談につなげるところまでで、最終的な商談や交渉は営業担当者が行います。この点も押さえておきましょう。
まとめ
マーケティングオートメーション(MA)は、見込み顧客の抽出・獲得・育成を自動化・効率化し、営業につなげる仕組みです。企業内の大量データを分析して戦略に活かすのはデータマイニングやBI、商品単位の販売情報を販売時点で記録・分析するのはPOSです。ソフトウェアのロボットが定型的な事務作業を代行するのはRPAで、「自動化」という言葉はMAと共通していますが、自動化する対象が異なります。選択肢の中にある手がかりの言葉から、どの用語の説明かを見分けるのがコツです。
解答・解説
正解はエです
この問題のテーマ
マーケティングオートメーション(MA)の意味を、BI・データマイニング、POS、RPAといった紛らわしいIT用語と見分けられるかを問う問題です。
解き方の考え方
まず、名前にある「マーケティング」と「オートメーション(自動化)」から、MAはマーケティング活動を自動化して効率を上げる仕組みだと押さえます。次に、各選択肢がどの用語を説明しているかを考えます。「大量データの分析」「商品単位の販売情報」「ソフトウェアのロボット」という言葉は、それぞれ別の用語を示す手がかりです。顧客を見つけて育てるというマーケティングの流れを説明しているものを選べば、正解にたどり着けます。
選択肢ごとの解説
- ×ア 企業内に蓄積された大量のデータを分析して,事業戦略などに有効活用する。企業内の大量データを分析して事業戦略に活かすというアの説明は、データマイニングに当たります。BI(ビジネスインテリジェンス)の説明と考えることもできます。MAは見込み顧客に働きかけて営業につなげる仕組みであり、社内データ全体の分析が中心ではありません。
- ×イ 小売業やサービス業において,販売した商品単位の情報の収集・蓄積及び分析を行う。商品単位の販売情報を集めて蓄積し分析するというイの説明は、POS(販売時点情報管理)です。POSは販売時点で日時・商品・数量などを記録し、売上分析や在庫管理に使います。顧客の育成や営業の効率化を目的とするMAとは異なります。
- ×ウ これまで人間が手作業で行っていた定型業務を,AIや機械学習などを取り入れたソフトウェアのロボットが代行することによって自動化や効率化を図る。ソフトウェアのロボットが定型業務を代わりに行うというウの説明は、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)です。RPAはデータ入力や転記など、手順が決まった事務作業の自動化に向いています。「自動化」という言葉はMAと共通していますが、自動化する対象が違います。
- ○エ 見込み顧客の抽出,獲得,育成などの営業活動を効率化する。見込み顧客の抽出・獲得・育成を通じて営業活動を効率化するというエの説明は、MAの説明そのものです。MAはマーケティング活動をITで自動化・効率化し、見込み顧客を商談につなげるための仕組みです。
補足
MAとRPAは、どちらも「オートメーション(自動化)」を含むため取り違えやすい用語です。MAが自動化するのはマーケティング活動、RPAが自動化するのは定型的な事務作業と区別して覚えましょう。MAの機能には、メールの自動配信や、Web閲覧などの顧客の行動の追跡があります。MAは見込み顧客を商談につなげる役割を担うもので、最終的な商談や交渉は営業担当者が行います。
POINT
- MAは、見込み顧客の抽出・獲得・育成を自動化・効率化し、営業につなげる仕組みです。
- 企業内の大量データを分析して戦略や経営判断に役立てるのは、データマイニングやBIです。
- 商品単位の販売情報を販売した時点で記録し分析するのは、POSです。
- ソフトウェアのロボットが定型的な事務作業を代行するのは、RPAです。
