公開APIを介した企業間連携を表す用語を見分ける
ITパスポート試験 令和5年度 問31 / 技術戦略マネジメント › 技術開発戦略の立案・技術開発計画
過去問にチャレンジ
様々な企業のシステム間を連携させる公開されたインタフェースを通じて,データやソフトウェアを相互利用し,それらの企業との協業を促進しながら新しいサービスを創出することなどで,ビジネスを拡大していく仕組みを表す用語として,最も適切なものはどれか。
- ア
APIエコノミー
- イ
アウトソーシング
- ウ
シェアリングエコノミー
- エ
プロセスイノベーション
会話形式の解説
講師今回は、企業どうしの連携の仕方を表す用語の問題です。問題文の「公開されたインタフェース」「データやソフトウェアを相互利用」「協業」「新しいサービスを創出」という言葉に注目してください。
受験者「エコノミー」が付く選択肢が二つあって、どちらも新しい経済の形という感じがするので迷いました。
講師そこが混同しやすいところです。まず、システムどうしをつなぐ公開インタフェースといえば何が思い浮かびますか。
受験者APIでしょうか。ソフトウェアどうしが機能やデータを使い合うための取り決め、と覚えています。
講師そのとおりです。APIエコノミーは、公開APIを介して企業どうしが行う経済活動のことです。他社の機能やデータを自社のサービスに取り込んで組み合わせ、協業で新しいサービスを作って事業を広げます。問題文の説明とそのまま一致するので、これが正解です。
受験者シェアリングエコノミーも、何かを共同で利用するという点では「相互利用」に近い気がしますが、どこが違うのですか。
講師シェアリングエコノミーで共有するのは、使われていない物品や空間、個人の技能といった資産です。インターネット上の仲介の仕組みを通じて共同で利用します。資産の共有が中心で、企業のシステムをAPIで連携させる話ではありません。
受験者アウトソーシングも他社と組む形ですが、これは業務を外部に任せることなので、新しいサービスを一緒に生み出す仕組みとは違う、という理解でよいですか。
講師はい。アウトソーシングは、自社の業務の一部または全部を社外の事業者に委託することです。また、プロセスイノベーションは生産や業務の過程を新しくして、品質の向上や費用の削減につなげる考え方なので、これも企業間のAPI連携を表す用語ではありません。
受験者整理すると、APIを介した機能やデータの連携ならAPIエコノミー、遊休資産の共有ならシェアリングエコノミー、業務委託ならアウトソーシング、工程の革新ならプロセスイノベーション、ですね。
講師よくまとまっています。「エコノミー」が付く用語は、何を介して、または何を共有して価値を生むのかで区別すると覚えやすくなります。問題文に「インタフェース」や「システム間の連携」とあれば、APIに関する用語を思い浮かべるとよいでしょう。
まとめ
公開されたインタフェース(API)を通じて企業どうしがデータやソフトウェアを相互利用し、協業で新しいサービスを生み出して事業を広げる仕組みは、APIエコノミーと呼びます。APIは、ソフトウェアどうしが機能やデータを利用し合うための取り決めです。シェアリングエコノミーは物品・空間・技能などの遊休資産を仲介サービスを通じて共同で利用する経済活動で、APIエコノミーとは中心となるものが異なります。アウトソーシングは社外への業務委託、プロセスイノベーションは生産や業務の過程の革新を指します。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
公開されたAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を通じて企業どうしがデータや機能を相互に利用し、協業によって新しいサービスを生み出して事業を広げる仕組みを何と呼ぶかを問う問題です。
解き方の考え方
問題文のキーワードは「公開されたインタフェース」「データやソフトウェアを相互利用」「協業」「新しいサービスを創出」です。システムどうしをつなぐ公開インタフェースはAPIのことなので、APIを名前に含む用語が候補になります。そのうえで、ほかの選択肢がそれぞれ「業務委託」「資産の共同利用」「工程の革新」という別のものを中心にした概念であることを確かめ、消去法でも正解を確認します。
選択肢ごとの解説
- ○ア APIエコノミーAPIエコノミーは、APIを介して企業どうしが行う経済活動を指します。公開APIを使えば他社の機能やデータを自社のサービスに取り込めるため、社外の機能やデータを組み合わせて新しいサービスを作れます。そうした企業間の連携や協業が事業の拡大につながるという考え方で、問題文の説明とそのまま一致します。
- ×イ アウトソーシングアウトソーシングは、自社の業務を社外の事業者に委託することです。委託する範囲は業務の一部の場合も全部の場合もあります。仕事を外部に任せる形の取引であり、公開インタフェースを通じてデータやソフトウェアを相互利用し、新しいサービスを生み出す仕組みを表す用語ではありません。
- ×ウ シェアリングエコノミーシェアリングエコノミーは、使われていない物品や空間、個人の技能といった資産を、インターネット上の仲介の仕組みを通じて共同で利用する経済活動です。焦点は資産の共有にあり、企業のシステムを公開APIで連携させる仕組みを指す用語ではありません。
- ×エ プロセスイノベーションプロセスイノベーションは、生産や業務の過程の革新に着目した概念で、工程を新しくすることで品質の向上や費用の削減につなげるものです。問題文が示す、公開APIを介した企業間の経済活動を表す用語ではありません。
補足
「エコノミー」が付く用語どうしは混同しやすいので、何を介して、または何を共有して価値を生むのかで区別すると覚えやすくなります。APIエコノミーはAPIを介した機能やデータの連携、シェアリングエコノミーは遊休資産の共有が中心です。問題文に「インタフェース」「システム間の連携」とあれば、APIに関する用語を思い浮かべるとよいでしょう。
POINT
- APIは、ソフトウェアどうしが機能やデータを利用し合うための取り決め(仕様)です。
- APIエコノミーは、公開APIを介して企業どうしが機能やデータを組み合わせ、協業で新しいサービスを生み出して事業を広げる経済活動です。
- アウトソーシングは社外の事業者への業務委託を指します。
- シェアリングエコノミーは、物品・空間・技能などを仲介サービスを通じて共同で利用する経済活動です。
- プロセスイノベーションは生産や業務の過程の革新で、品質向上や費用削減につながります。
