品質管理の図の使い分け ステップ数と不良件数の関係を表すには
ITパスポート試験 令和5年度 問38 / プロジェクトマネジメント › プロジェクトマネジメント
過去問にチャレンジ
システム開発プロジェクトの品質目標を検討するために,複数の類似プロジェクトのプログラムステップ数と不良件数の関係性を示す図として,適切なものはどれか。
- ア
管理図
- イ
散布図
- ウ
特性要因図
- エ
パレート図
会話形式の解説
講師品質管理で使う図の使い分けを問う問題です。まず、問題文が「何と何の関係」を見たいのかに注目してください。
受験者プログラムステップ数と不良件数です。どちらも数で表せるので、2つの数量の関係を見たい、ということでしょうか。
講師そのとおりです。しかも複数の類似プロジェクトを並べて比べようとしています。2つの変数の関係や相関、つまり一方が増えるともう一方も増えたり減ったりする傾向を目で確かめる図が散布図です。
受験者横軸にステップ数、縦軸に不良件数を取って、プロジェクトごとに点を打つイメージですか。
講師はい。1つのプロジェクトが1つの点になります。点の並び方から両者の関係が読み取れるので、品質目標を考える材料になります。
受験者管理図もグラフに点を打つ図だったと思うので、私はそこで迷いました。
講師管理図は、中央線と上下の管理限界線を引いたグラフに、特性値を時系列で打点する図です。工程が安定しているか、異常な変動が起きていないかを判断するために使います。横軸は時間の流れなので、2つの変数の相関を見る図ではありません。
受験者特性要因図とパレート図は、どう違うのでしょうか。
講師特性要因図は、結果(特性)とそれに影響する要因を、魚の骨のような形で体系的に整理する図で、原因を洗い出すときに使います。パレート図は、項目を値の大きい順に並べた棒グラフに累積比率の折れ線を重ねた図で、重点的に取り組む項目を見つけるために使います。どちらも数量どうしの関係を点で表す図ではありません。
受験者関係や相関なら散布図、安定の監視なら管理図、原因の整理なら特性要因図、重点項目なら パレート図、と目的で覚えればよいのですね。
講師それで整理できています。補足すると、散布図で点が右上がりなら正の相関、右下がりなら負の相関と読み取れます。ただし、相関が見えても因果関係があるとは限りません。外れ値に気づけるのも散布図の利点です。問題文の「関係」「原因」「重点」といった言葉は答えの有力な手がかりになりますが、最後は図の目的に合っているかで確かめてください。
まとめ
2つの数量の関係や相関を確かめたいときに使うのは散布図です。ステップ数を横軸、不良件数を縦軸に取り、プロジェクトごとに点を打てば、両者の傾向が見えます。管理図は工程が安定しているかを時系列で監視する図、特性要因図は結果と原因の関係を魚の骨の形で整理する図、パレート図は大きい順の棒グラフと累積比率の折れ線で重点項目を見つける図です。なお、散布図で相関が見えても、因果関係があるとは限りません。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
品質管理で使う図の中から、「プログラムステップ数」と「不良件数」という2つの数量の関係を示すのに適した図を選ぶ問題です。
解き方の考え方
まず、問題文が何と何の関係を見たいのかを押さえます。ここではステップ数と不良件数という2つの数量の関係を、複数のプロジェクトについて比べようとしています。2つの変数の関係や相関を目で確かめる図は散布図なので、これが正解の候補になります。そのうえで、ほかの図がそれぞれ何のために使われるのか(工程が安定しているかの監視、原因の整理、重点項目の特定)を思い出し、どれも2変数の関係を表す図ではないことを確かめます。
選択肢ごとの解説
- ×ア 管理図アの管理図は、中央線と上下の管理限界線を引いたグラフに、特性値を時系列で打点した図です。工程が安定しているか、異常な変動が起きていないかを判断するために使います。2つの変数の相関を見るための図ではないので、本問の目的には合いません。
- ○イ 散布図イの散布図は、縦軸と横軸に2つの変数を取り、データを点で打つ図です。横軸にステップ数、縦軸に不良件数を取って各プロジェクトを1つの点で表せば、両者の相関を目で見て確かめられます。その結果は品質目標を考える材料になります。
- ×ウ 特性要因図ウの特性要因図は、結果(特性)と、それに影響する要因との関係を体系的に整理する図です。魚の骨のような形をしていて、原因を洗い出すときに使います。数量どうしの関係を点で表す図ではありません。
- ×エ パレート図エのパレート図は、項目を値の大きい順に並べた棒グラフに、累積比率の折れ線を重ねた図です。重点的に取り組むべき項目を見つけるために使います。2つの変数の関係を示すことはできません。
補足
散布図で点が右上がりに並べば正の相関、右下がりに並べば負の相関があると読み取れます。ただし、相関が見えても因果関係があるとは限らない点に注意してください。また、散布図ではほかの点から大きく外れた外れ値にも気づけます。問題文に「AとBの関係」「相関」とあれば散布図、「原因」とあれば特性要因図、「重点」「上位」とあればパレート図が答えになる、と結び付けておくと解きやすくなります。
POINT
- 2種類のデータの関係や相関を調べたいときは散布図を使います。
- 管理図は、工程が安定しているかを時系列で監視するための図です。
- 特性要因図は、結果とその原因の関係を整理する、魚の骨の形をした図です。
- パレート図は、大きい順の棒グラフと累積比率の折れ線を組み合わせて、重点項目を見つける図です。
