SLAの項目とITサービスマネジメントの管理を正しく対応させる
ITパスポート試験 令和5年度 問47 / サービスマネジメント › サービスマネジメントシステム
過去問にチャレンジ
あるホスティングサービスのSLAの内容にa~cがある。これらと関連するITサービスマネジメントの管理との適切な組合せはどれか。 a サーバが稼働している時間 b ディスクの使用量が設定したしきい値に達したことを検出した後に,指定された担当者に通知するまでの時間 c 不正アクセスの検知後に,指定された担当者に通知するまでの時間

- ア
サービス可用性管理:a,容量・能力管理:b,情報セキュリティ管理:c
- イ
サービス可用性管理:a,容量・能力管理:c,情報セキュリティ管理:b
- ウ
サービス可用性管理:b,容量・能力管理:a,情報セキュリティ管理:c
- エ
サービス可用性管理:c,容量・能力管理:b,情報セキュリティ管理:a
会話形式の解説
講師今回は、SLAに書かれた3つの項目を、ITサービスマネジメントの3つの管理に割り当てる問題です。SLAは、サービスの提供者と利用者の間で合意したサービス品質の目標や条件のことです。各項目が何を測っているのかに注目してください。
受験者サーバが稼働している時間は、サービスを使える時間なので可用性管理だと思いました。でも、残りの2つはどちらも「担当者に通知するまでの時間」なので、区別がつきにくいです。
講師稼働時間の判断は合っています。サービス可用性管理は、稼働時間や稼働率のように、必要なときにサービスを使えるかどうかを扱う管理です。残りの2つは、文の形ではなく、何を検知しているかで見分けます。
受験者一つはディスクの使用量がしきい値に達したこと、もう一つは不正アクセスですね。ディスクのほうは、容量という言葉から容量・能力管理でしょうか。
講師そのとおりです。容量・能力管理は、ディスク使用量や処理能力など、現在と将来の需要に見合う資源が足りているかを扱います。ディスク使用量は、IT資源の使用状況を表す指標です。
受験者そうすると、不正アクセスの通知は情報セキュリティ管理ですね。ただ、不正アクセスでサーバが止まることもあるので、可用性管理と考えることはできませんか。
講師いい疑問です。不正アクセスは結果としてサービスが使えなくなる原因にもなり得ます。ただ、その検知と対応は、まず情報資産を脅威から守る情報セキュリティ管理の範囲として考えます。
受験者それなら、稼働時間が可用性管理、ディスク使用量が容量・能力管理、不正アクセスが情報セキュリティ管理という組合せが正解ですね。
講師正解です。ほかの選択肢も確認しましょう。稼働時間を可用性管理にしていても、ディスク使用量と不正アクセスを入れ替えたものは誤りです。ディスク使用量を可用性管理に、稼働時間を容量・能力管理にしたものも、2つが逆になっています。
受験者ディスク使用量を容量・能力管理にしていても、稼働時間と不正アクセスが入れ替わっている組合せもありましたね。1か所だけ合っていても、全体としては誤りということですね。
講師そうです。組合せ問題では、1つの項目が合っているだけで選ばないようにしましょう。覚え方としては、可用性は「使えるか」、容量・能力は「資源が足りるか」、情報セキュリティは「情報資産を守れるか」と整理しておくと、ほかの問題にも応用できます。
まとめ
この問題は、ホスティングサービスのSLAにある項目を、ITサービスマネジメントの管理に割り当てるものです。サーバの稼働時間は、必要なときにサービスを使えるかを扱うサービス可用性管理に当たります。ディスク使用量がしきい値に達したときの通知は、資源が足りているかを扱う容量・能力管理に当たります。不正アクセス検知後の通知は、情報資産を守る情報セキュリティ管理に当たります。同じ「通知までの時間」という形の項目は、何を検知しているかで見分けるのがポイントです。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
SLAに書かれた測定項目が、ITサービスマネジメントのどの管理プロセスに関係するかを問う問題です。可用性・容量・能力・情報セキュリティという3つの管理が、それぞれ何を対象にしているかを理解しているかが問われます。
解き方の考え方
まず、a~cの項目が何を測っているのかを一つずつ考えます。aの「サーバが稼働している時間」はサービスを使える度合い、bの「ディスク使用量のしきい値」はIT資源の使用状況、cの「不正アクセス」は情報資産を守ることに関係します。それぞれを可用性管理、容量・能力管理、情報セキュリティ管理に当てはめ、表の中から同じ組合せの行を選びます。b・cはどちらも「担当者に通知するまでの時間」なので、通知時間ではなく何を検知したかに注目して見分けるのがポイントです。
選択肢ごとの解説
- ○ア サービス可用性管理:a,容量・能力管理:b,情報セキュリティ管理:cサーバの稼働時間を可用性管理、ディスク使用量の通知を容量・能力管理、不正アクセスの通知を情報セキュリティ管理に割り当てています。可用性は必要なときにサービスを使える度合いで、ディスク使用量はIT資源の使用状況を表す指標です。3つとも対応が合っているので、これが正解です。
- ×イ サービス可用性管理:a,容量・能力管理:c,情報セキュリティ管理:b稼働時間を可用性管理に割り当てた点は合っていますが、bとcが入れ替わっています。ディスク使用量のしきい値を超えたときの通知は資源の量にかかわるので、容量・能力管理の対象です。不正アクセスの通知は情報セキュリティ管理の対象です。
- ×ウ サービス可用性管理:b,容量・能力管理:a,情報セキュリティ管理:cディスク使用量を可用性管理に、稼働時間を容量・能力管理に割り当てており、aとbが逆になっています。稼働時間はサービスを使えるかどうかを測る項目なので可用性管理に、ディスク容量は資源の量の問題なので容量・能力管理に当たります。
- ×エ サービス可用性管理:c,容量・能力管理:b,情報セキュリティ管理:a不正アクセスの通知を可用性管理に、稼働時間を情報セキュリティ管理に割り当てており、aとcが逆になっています。bを容量・能力管理とした点だけは合っていますが、組合せ全体としては誤りです。
補足
bとcはどちらも「検知してから担当者に通知するまでの時間」という同じ形の文なので、文の形だけを見ると取り違えやすくなります。何を検知しているのか(ディスクの使用量か、不正アクセスか)で判断しましょう。なお、不正アクセスは結果としてサービスが使えなくなる原因にもなり得ますが、検知と対応はまず情報セキュリティ管理の範囲として考えます。
POINT
- SLAは、サービスの提供者と利用者の間で合意したサービス品質の目標や条件です。
- サービス可用性管理は、稼働時間や稼働率のように「必要なときにサービスを使えるか」を扱います。
- 容量・能力管理は、ディスク使用量や処理能力など、現在と将来の需要に見合う資源が足りているかを扱います。
- 情報セキュリティ管理は、不正アクセスなどの脅威から情報資産を守るための管理です。
