サービス品質の合意書と管理活動、略語の見分け方
ITパスポート試験 令和7年度 問37 / サービスマネジメント › サービスマネジメント
過去問にチャレンジ
ITサービスマネジメントに関して,次の記述中のa,bに入れる字句の適切な組合せはどれか。 aはサービス提供者と顧客との間で合意されたサービス品質に関する合意書である。aの遵守状況を確認し,ITサービスの品質を維持・改善させるための活動がbである。

- ア
a:NDA、b:SCM
- イ
a:NDA、b:SLM
- ウ
a:SLA、b:SCM
- エ
a:SLA、b:SLM
会話形式の解説
講師今回はITサービスマネジメントの略語の問題です。空欄が二つあり、一つ目は「文書」、二つ目は「活動」として説明されています。この違いに注目して、一つずつ埋めていきましょう。
受験者選択肢にはNDA、SLA、SCM、SLMの四つが出てきますね。どれもアルファベット三文字なので、私はこういう略語の区別がとても苦手です。
講師略語は、元の英語を思い出すと見分けやすくなります。まず空欄aは「サービス提供者と顧客」が「サービス品質」について合意した文書です。NDAとSLA、どちらが当てはまりそうですか。
受験者SLAはService Level Agreementで、サービスレベル合意書のことでしたよね。でも、NDAも何かの契約だった気がして、少し迷います。
講師そこがこの問題の引っかけです。NDAは秘密保持契約のことで、取引で知った情報を外部に漏らさないと約束する契約です。契約ではありますが、サービス品質について合意する文書ではありません。ですから空欄aにはSLAが入ります。
受験者なるほど。どちらも「合意・契約」ですが、何について約束するかが違うのですね。これでNDAを含む二つの組合せは外れます。
講師そのとおりです。次に空欄bは、そのSLAが守られているかを確認して、ITサービスの品質を維持・改善する活動です。残る候補はSCMとSLMですね。
受験者SCMはサプライチェーンマネジメントでしたか。どちらも最後がMなので「管理」なのは分かるのですが、何を管理するのかがあいまいです。
講師SCMは供給連鎖管理のことで、調達から販売までのモノの流れを管理する考え方です。SLAの遵守確認とは関係がありません。一方、SLMはService Level Managementで、サービスレベル管理と訳します。SLAで合意した水準を達成できているか測定・確認し、品質を継続的に改善する活動です。
受験者では、空欄bはSLMですね。aにSLAは入っていても、bがSCMの組合せは誤りということになります。
講師はい。逆にbはSLMでも、aがNDAの組合せも誤りです。両方の空欄が合っているのは、aがSLA、bがSLMの組合せだけです。
受験者整理すると、SLAは品質について合意した「文書」、SLMはそれを運用して守らせる「活動」という関係ですね。末尾のAとMで見分けられそうです。
講師よい覚え方です。補足すると、SLAには可用性、応答時間、サポート対応時間などの品質水準を定めるのが一般的です。SLAとSLMは、ITサービスマネジメントのベストプラクティス集であるITILでも重要な概念なので、組にして覚えておきましょう。NDAとSLA、SCMとSLMのように形の似た略語が並ぶので、意味まで押さえておくことが大切です。
まとめ
この問題は、サービス品質に関する合意書と、その遵守状況を確認して品質を維持・改善する活動を表す略語の組合せを問うものです。合意書はSLA(Service Level Agreement、サービスレベル合意書)、活動はSLM(Service Level Management、サービスレベル管理)です。NDAは秘密保持契約、SCMは供給連鎖管理で、いずれもサービス品質の合意や管理を表す用語ではありません。SLAは「文書」、SLMはそれを運用する「活動」という関係で、組にして覚えると整理しやすくなります。
解答・解説
正解はエです
この問題のテーマ
ITサービスマネジメントの用語のうち、サービス品質について合意した文書であるSLA(サービスレベル合意書)と、その合意を守り品質を維持・改善する活動であるSLM(サービスレベル管理)を区別できるかを問う問題です。
解き方の考え方
空欄aと空欄bを一つずつ確定させます。aは「サービス提供者と顧客」が「サービス品質」について合意した文書なので、サービスレベル合意書であるSLAが入ります。bは、そのaの遵守状況を確認して品質を維持・改善する活動なので、サービスレベル管理であるSLMが入ります。NDAとSCMは略語の意味を思い出せば、サービス品質とは別の分野の用語だとわかります。aがSLA、bがSLMの組合せはエだけです。
選択肢ごとの解説
- ×ア a:NDA、b:SCMaのNDAは秘密保持契約のことで、取引で知った情報を外部に漏らさないことを約束する契約です。サービス品質の合意書ではありません。bのSCMは供給連鎖管理で、調達から販売までの流れを管理する考え方なので、SLAの遵守確認とは関係がありません。
- ×イ a:NDA、b:SLMbのSLMは、合意した品質の達成状況を確認して改善する活動なので正しい字句です。しかし、aのNDAは秘密保持契約であり、サービス品質の合意書ではありません。そのため、組合せとしては誤りです。
- ×ウ a:SLA、b:SCMaのSLAは、サービス品質についての合意書なので正しい字句です。一方、bのSCMは供給連鎖管理で、ITサービスの品質を維持・改善する活動ではありません。この活動に当たるのはSLMです。
- ○エ a:SLA、b:SLMaのSLA(Service Level Agreement)は、提供者と顧客がサービス品質について合意した文書です。bのSLM(Service Level Management)は、SLAで合意した水準の達成状況を測定・確認し、品質を継続的に改善する活動です。両方の空欄が問題文の説明と一致します。
補足
NDAとSLAはどちらも「合意・契約」を表す用語で、SCMとSLMはどちらも「管理」を表す用語です。そのため、略語の形だけでは見分けにくく、略語の意味を正しく覚えておく必要があります。SLAには、可用性や応答時間、サポート対応時間などの品質水準を定めるのが一般的です。SLAとSLMはITILでも重要な概念なので、組にして覚えておきましょう。
POINT
- SLAはService Level Agreementの略で、提供者と顧客がサービス品質について合意した文書(サービスレベル合意書)です。
- SLMはService Level Managementの略で、SLAで合意した水準の達成状況を確認し、品質を維持・改善する活動(サービスレベル管理)です。
- SLAは「文書」で、SLMはそれを運用・管理する「活動」という関係で覚えると整理しやすくなります。
- NDAは秘密保持契約、SCMは供給連鎖管理のことで、どちらもサービス品質の合意や管理を表す用語ではありません。
