機械学習による顧客応対は何が違うのか
基本情報技術者試験 平成30年度春期 午前 問61 / 企業活動 › 業務分析・データ利活用
過去問にチャレンジ
蓄積されたデータに対してパターン認識機能や機械学習機能を適用することによって,コールセンターにおける顧客応対業務の質的向上が可能となる事例はどれか。
- ア
応対マニュアルや顧客の基本情報を電子化したものを,オペレーターの要求時に応対用の画面にポップアップ画面として表示する。
- イ
顧客の問合せの内容に応じて,関連資料や過去の応対に関する全履歴から,最適な回答をリアルタイムで導き出す。
- ウ
電話応対中のオペレーターが回答に窮したときに,その電話や応対画面をベテランのオペレーターや専門要員に転送する。
- エ
ベテランのオペレーターが講師となり,応対マニュアルを教材にして,新人オペレーターに対するロールプレイング研修を繰り返して実施する。
会話形式の解説
講師注目点は、蓄積したデータを使い、問合せに合う回答を選んでいるかです。
受験者マニュアルや顧客情報を画面に出す方法も、データを使っているように見えます。
講師その方法は、求められた資料を表示するものです。問合せの内容を判別して回答を選んでいますか。
受験者いいえ。オペレーターが資料を見るための表示で、回答は選んでいません。
講師では、問合せに応じて関連資料や過去の応対履歴から回答を導く方法はどうでしょう。
受験者内容を判別し、蓄積したデータを使って回答を選びます。これが正解ですね。
講師はい。困ったときに電話や画面を転送する方法では、誰が回答しますか。
受験者転送先の担当者です。転送する操作自体は、データから回答を選ぶ処理ではありません。
講師ロールプレイング研修も、新人がマニュアルを使って練習するものです。顧客への回答をデータから選ぶ事例には当たりません。
受験者資料の表示や人による対応と、問合せに合わせて回答を選ぶ処理を分けて考えればよいのですね。
講師そうです。応対マニュアルや顧客情報を表示する機能と、履歴を使って回答を選ぶ機能を取り違えないようにします。
まとめ
正解は、問合せの内容に応じて、関連資料や過去の応対履歴から適した回答を導く方法です。マニュアルや顧客情報の表示は、資料を見せる機能であり、回答を選ぶ処理ではありません。担当者への転送や新人研修も、それ自体は蓄積データに機械学習を適用して顧客への回答を選ぶ事例には当たりません。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
蓄積された応対データにパターン認識や機械学習を適用し、顧客への回答に生かす事例を問う問題です。
解き方の考え方
各選択肢について、過去のデータを単に表示・利用するだけか、問合せの内容を判別して回答を選ぶかを確かめます。人が対応を引き継ぐ作業や研修も、データへの機械学習の適用とは区別します。
選択肢ごとの解説
- ×ア 応対マニュアルや顧客の基本情報を電子化したものを,オペレーターの要求時に応対用の画面にポップアップ画面として表示する。アの応対マニュアルや基本情報の表示は、オペレーターが必要な資料を見るための機能です。要求された情報を画面に出すだけでは、問合せに合う回答を学習によって選んでいません。
- ○イ 顧客の問合せの内容に応じて,関連資料や過去の応対に関する全履歴から,最適な回答をリアルタイムで導き出す。イの回答提示は、問合せの内容を判別し、蓄積された応対履歴などを使って回答を選ぶものです。過去のデータから得た知見を現在の応対に生かすため、設問の条件に合います。
- ×ウ 電話応対中のオペレーターが回答に窮したときに,その電話や応対画面をベテランのオペレーターや専門要員に転送する。ウの電話や画面の転送では、回答に困ったオペレーターから別の担当者へ対応を引き継ぎます。回答するのは転送先の人であり、転送という操作は蓄積データから回答を選ぶ処理ではありません。
- ×エ ベテランのオペレーターが講師となり,応対マニュアルを教材にして,新人オペレーターに対するロールプレイング研修を繰り返して実施する。エのロールプレイングは、新人が応対を練習する研修です。教材に応対マニュアルを使っても、蓄積された応対データを分析して顧客への回答を選ぶ事例には当たりません。
POINT
- データを画面に表示することと、データから回答を選定することは処理の内容が異なります。
- 問合せの内容を判別することが、適した回答を提示する手掛かりになります。
- 担当者への引継ぎや人への研修は、それ自体では機械学習の適用を示しません。
