公益通報者保護法が定める保護はどこまで?
ITパスポート試験 平成31年度春期 問4 / 法務 › 労働関連・取引関連法規
過去問にチャレンジ
次の記述a~cのうち,勤務先の法令違反行為の通報に関して,公益通報者保護法で規定されているものだけを全て挙げたものはどれか。 a 勤務先の同業他社への転職のあっせん b 通報したことを理由とした解雇の無効 c 通報の内容に応じた報奨金の授与
- ア
a,b
- イ
b
- ウ
b,c
- エ
c
会話形式の解説
講師この問題では、通報者を助ける措置のうち、法律に規定されているものを見分けます。
受験者勤務先で働きにくくなった場合を考えると、転職のあっせんも保護に含まれそうです。
講師そう考えたくなりますが、同業他社への転職のあっせんは、この法律には規定されていません。
受験者では、通報内容に応じた報奨金はどうですか。通報を促すためにありそうです。
講師報奨金の授与も規定されていません。この法律は、通報者への不利益な取扱いを防ぐためのものです。
受験者解雇の無効は、通報による不利益を防ぐ規定に当たりますか。
講師はい。要件を満たす公益通報を理由とする解雇は、公益通報者保護法第3条で無効とされています。
受験者規定されているのは解雇の無効だけなので、転職のあっせんを含む組合せは選べませんね。
講師そのとおりです。解雇の無効と報奨金を含む組合せも、報奨金だけの組合せも選べません。
受験者解雇の無効だけを挙げたイが正解ですね。役立ちそうかどうかではなく、規定の有無で判断します。
講師はい。通報者の保護から連想して、転職のあっせんや報奨金まで含めないようにしましょう。
まとめ
公益通報者保護法は、通報者への不利益な取扱いを防ぐための法律です。要件を満たす公益通報を理由とする解雇は無効です。一方、同業他社への転職のあっせんと、通報内容に応じた報奨金の授与は規定されていません。したがって、解雇の無効だけを挙げたイが正解です。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
公益通報者保護法が定める通報者の保護を、a~cの記述から見分ける問題です。
解き方の考え方
まず、同法が通報を理由とする不利益な取扱いを防ぐ法律だと押さえます。そのうえでa~cを一つずつ判定し、法律に規定されている記述だけを含む組合せを選びます。
選択肢ごとの解説
- ×ア a,bアは転職のあっせんと解雇の無効を含む組合せです。通報を理由とする解雇の無効は規定されていますが、同業他社への転職のあっせんは規定されていないため、aを含むアは選べません。
- ○イ bイは、通報を理由とした解雇の無効だけを挙げています。要件を満たす公益通報を理由とする解雇は無効とされるため、規定されているものだけを挙げたイが正解です。
- ×ウ b,cウは解雇の無効に加えて、通報内容に応じた報奨金の授与を含みます。解雇の無効は規定されていますが、報奨金の授与は規定されていないため、cを含むウは選べません。
- ×エ cエは、通報内容に応じた報奨金の授与だけを挙げています。同法は通報者への不利益な取扱いを防ぐものであり、報奨金の授与は規定されていません。
補足
「通報者を助ける制度なら法律にありそうだ」と考えると、aやcを選びやすくなります。制度の目的から推測するだけでなく、それぞれの措置が規定されているかを判定しましょう。
POINT
- 公益通報者保護法は、通報者への不利益な取扱いを防ぐための法律です。
- 要件を満たす公益通報を理由とする解雇は無効です。
- 転職のあっせんや報奨金の授与を、同法の保護と取り違えないようにします。
