リスク対応の受容とは何か、四つの分類を見分ける
ITパスポート試験 令和2年度10月 問54 / プロジェクトマネジメント › プロジェクトマネジメント
過去問にチャレンジ
システム開発プロジェクトにおいて,テスト工程で使用するPCの納入が遅れることでテスト工程の終了が遅れるリスクがあり,対応策を決めた。リスク対応を回避,軽減,受容,転嫁の四つに分類するとき,受容に該当する記述として,最も適切なものはどれか。
- ア
全体のスケジュール遅延を防止するために,テスト要員を増員する。
- イ
テスト工程の終了が遅れても本番稼働に影響を与えないように,プロジェクトに予備の期間を設ける。
- ウ
テスト工程の遅延防止対策を実施する費用を納入業者が補償する契約を業者と結ぶ。
- エ
テスト工程用のPCがなくてもテストを行える方法を準備する。
会話形式の解説
講師この問題では、PCの納入が遅れるリスクを残しているか、その影響や費用の負担をどう扱うかに注目します。
受験者予備期間を設けるのも要員を増やすのも、遅延への備えに見えます。どこで区別しますか。
講師予備期間を設けても、PCの納入が遅れる可能性は残ります。遅延が起きた場合に備えて期間を確保するので、受容です。
受験者リスクを残したまま発生に備える、ということですね。
講師はい。一方、テスト要員の増員は遅延による影響を小さくするため、軽減です。
受験者備える点は同じでも、要員の増員は影響を抑えることが目的なのですね。
講師そのとおりです。では、遅延防止対策の費用を納入業者が補償する契約は、何を変えますか。
受験者費用の負担先を納入業者に移します。これは転嫁です。
講師そうです。PCがなくてもテストできる方法を用意する場合は、納入遅延の影響を受けない方法に変えるので、回避です。
受験者予備期間は受容、要員の増員は軽減、補償契約は転嫁、別のテスト方法は回避と整理できます。
講師迷ったら、リスクを残して備えるのか、影響を抑えるのか、負担を移すのか、影響を受けない方法に変えるのかを確かめましょう。
まとめ
PCの納入遅延に備えて予備期間を設ける対応は、遅延の可能性を残したまま発生に備えるため、受容に当たります。テスト要員の増員は遅延の影響を小さくする軽減です。費用の補償契約は負担を納入業者に移す転嫁、PCなしでテストできる方法の準備は回避に当たります。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
PCの納入遅延に備える各対応策を、回避・軽減・受容・転嫁のどれに分類するかを問う問題です。
解き方の考え方
まず、納入が遅れる可能性を残しているかを見ます。可能性を残したまま、その事態に備えるのが受容です。影響を小さくする軽減、影響を受けない方法に変える回避、負担を第三者に移す転嫁と区別します。
選択肢ごとの解説
- ×ア 全体のスケジュール遅延を防止するために,テスト要員を増員する。テスト要員の増員は、遅延による影響を小さくする対応です。リスクへの対応分類は軽減であり、受容には当たりません。
- ○イ テスト工程の終了が遅れても本番稼働に影響を与えないように,プロジェクトに予備の期間を設ける。予備期間を設けても、PCの納入が遅れる可能性は残ります。その遅延が起きた場合に備えて期間を確保するため、受容に当たります。
- ×ウ テスト工程の遅延防止対策を実施する費用を納入業者が補償する契約を業者と結ぶ。補償契約は、遅延防止対策にかかる費用の負担を納入業者に移します。負担を第三者へ移す対応は転嫁です。
- ×エ テスト工程用のPCがなくてもテストを行える方法を準備する。PCがなくてもテストできる方法を用意すれば、PCの納入遅延による影響を受けずに済みます。対象のリスクが及ばない方法に変えるので、回避に当たります。
補足
予備期間の確保と要員の増員は、どちらも遅延への備えに見えます。納入遅延を残したまま期間を確保するのか、要員を増やして遅延の影響を抑えるのかに着目すると区別できます。
POINT
- 受容は、リスクを残したまま発生に備える対応です。
- 軽減は、リスクの発生確率や影響を小さくする対応です。
- 転嫁は、リスクによる負担を第三者へ移す対応です。
- 回避は、対象のリスクが及ばない方法に変える対応です。
