ABC分析を見分けるコツ:パネル調査・クロス集計との違い
基本情報技術者試験 平成30年度春期 午前 問75 / 企業活動 › 業務分析・データ利活用
過去問にチャレンジ
ABC分析手法の説明はどれか。
- ア
地域を格子状の複数の区画に分け,様々なデータ(人口,購買力など)に基づいて,より細かに地域分析をする。
- イ
何回も同じパネリスト(回答者)に反復調査する。そのデータで地域の傾向や購入層の変化を把握する。
- ウ
販売金額,粗利益金額などが高い商品から順番に並べ,その累計比率によって商品を幾つかの階層に分け,高い階層に属する商品の販売量の拡大を図る。
- エ
複数の調査データを要因ごとに区分し,集計することによって,販売力の分析や同一商品の購入状況などの分析をする。
会話形式の解説
講師今回はABC分析の説明を選ぶ問題です。選択肢はどれもデータを分けて分析する話に見えるので、何を対象にしているかと、何を基準に分けているかの二点に注目して読んでいきましょう。
受験者どれも分析の説明なので、私は全部それらしく見えてしまいました。ABC分析は、何かをA・B・Cの三つに分けるという覚え方しかしていません。
講師三つに分けるという覚え方で入口は合っています。では、何をどんな基準で分けるかまで考えてみましょう。商品を販売金額や粗利益金額が大きい順に並べて、累積比率、つまり上から足し上げていった合計が全体の何割になるかで階層に分ける、という説明はどの選択肢にありますか。
受験者金額の高い商品から順に並べて、累計比率で階層に分けるという選択肢ですね。高い階層の商品の販売量を増やす、とも書いてあります。
講師そうです。対象は商品で、基準は金額の累積比率です。その結果を使って上位の商品を重点的に扱う、というところまで含めてABC分析の説明になっています。これが正解です。
受験者地域を格子状の区画に分けて、人口や購買力で分析する選択肢も、区画ごとに分けているので似ている気がしました。
講師分けている点は同じですが、対象を見てください。分けているのは商品ではなく地域で、区画ごとの人口や購買力を調べています。金額の順に並べて累積比率で階層にする手順もないので、ABC分析には当たりません。
受験者同じ回答者に何回も調査する選択肢は、購入層の変化を見ると書いてあるので、商品の分析にも使えそうに思えます。
講師それはパネル調査の説明です。パネリスト、つまり決まった回答者を継続して調べ、時間とともに傾向がどう変わるかを追う方法です。注目しているのは回答者の変化で、商品を金額順に階層分けするものではありません。
受験者残りの、調査データを要因ごとに区分して集計する選択肢は、要因で分けるところが階層分けに近いと思って迷いました。
講師それはクロス集計の説明です。複数の要因でデータを区分して、それぞれの組合せごとの状況を集計して見る方法です。分ける基準が要因であって、金額の累積比率ではない点が決め手になります。
受験者整理すると、ABC分析は商品を金額の大きい順に並べて、累積比率で階層に分け、上位を重点的に扱う方法ということですね。地域を分けるもの、同じ回答者を追うもの、要因で集計するものは別の手法だと分かりました。
講師その理解で大丈夫です。手法の名前を問う問題では、分ける、集計するといった言葉だけで判断すると迷います。今回のように、分析の対象と分類の基準を一つずつ確かめると、似た説明が並んでいても絞り込めます。
まとめ
ABC分析は、商品を販売金額や粗利益金額の大きい順に並べ、累積比率に応じて階層に分けて、上位の商品を重点的に扱う手法です。地域を格子状の区画に分けて人口や購買力を調べる方法は、対象が地域なのでABC分析ではありません。同じ回答者を繰り返し調べるのはパネル調査で、時間による変化を追う方法です。調査データを複数の要因で区分して集計するのはクロス集計です。手法を見分けるときは、分析の対象と分類の基準を確かめるのが有効です。
解答・解説
正解はウです
この問題のテーマ
ABC分析の特徴を、地域分析や調査・集計の手法と区別できるかを問う問題です。
解き方の考え方
各選択肢で、何を対象に、どのように分けているかを確認します。商品の金額を基準に並べ、累積比率で階層を作る説明を選びます。
選択肢ごとの解説
- ×ア 地域を格子状の複数の区画に分け,様々なデータ(人口,購買力など)に基づいて,より細かに地域分析をする。アは地域を格子状の区画に分け、その区画ごとに人口や購買力を調べる説明です。分析の対象は地域であり、商品を金額順に分類するABC分析には当たりません。
- ×イ 何回も同じパネリスト(回答者)に反復調査する。そのデータで地域の傾向や購入層の変化を把握する。イは同じ回答者を繰り返し調べ、時間とともに傾向や購入層がどう変わるかを見るパネル調査です。回答者を継続して追う方法なので、ABC分析の説明ではありません。
- ○ウ 販売金額,粗利益金額などが高い商品から順番に並べ,その累計比率によって商品を幾つかの階層に分け,高い階層に属する商品の販売量の拡大を図る。ウは販売金額や粗利益金額が大きい商品から並べ、累積比率に応じて階層に分けています。その結果を使って上位の商品を重点的に扱うため、ABC分析に該当します。
- ×エ 複数の調査データを要因ごとに区分し,集計することによって,販売力の分析や同一商品の購入状況などの分析をする。エは調査データを複数の要因で区分して集計する、クロス集計の説明です。要因ごとの集計結果を見る方法であり、金額の累積比率を使った商品の階層分けではありません。
POINT
- 手法を見分けるときは、分析の対象と分類の基準を確かめます。
- 同じ回答者を繰り返し調べる方法では、時間による変化を追えます。
- 複数の要因でデータを区分すると、それぞれの組合せごとの状況を調べられます。
