マナビング基本情報技術者

コアコンピタンスの意味を理念・目標・外部環境と比べて理解する

基本情報技術者試験 令和6年度 問16 / 経営戦略マネジメント › 経営戦略手法

過去問にチャレンジ

令和6年度 問16

コアコンピタンスを説明したものはどれか。

  1. ア

    経営活動における基本精神や行動指針

  2. イ

    事業戦略の遂行によって達成すべき到達目標

  3. ウ

    自社を取り巻く環境に関するビジネス上の機会と脅威

  4. エ

    他社との競争優位の源泉となる経営資源及び企業能力

会話形式の解説

講師講師
今回は経営戦略の用語で、コアコンピタンスの定義を問う問題です。選択肢はどれも経営の話なので、それぞれが「理念」「目標」「外部環境」「内部の能力」のどれを説明しているかに注目してください。
受験者受験者
コアコンピタンスは聞いたことがありますが、「会社の大事な方針」のような意味だと思っていました。基本精神や行動指針の選択肢も当てはまりそうに見えます。
講師講師
そこが紛らわしいところです。基本精神や行動指針は経営理念、つまり企業が何のために存在し、どんな考え方で行動するかを示すものです。コアコンピタンスは直訳すると「中核的な能力」で、考え方ではなく能力を指します。
受験者受験者
方針ではなく能力なのですね。では、事業戦略で達成すべき到達目標の選択肢も違いますか。
講師講師
はい、それは経営目標の説明です。売上高や市場占有率のように、これから達成したい成果を表します。コアコンピタンスは今すでに持っている強みなので、性質が違います。
受験者受験者
ビジネス上の機会と脅威の選択肢は、SWOT分析で見た言葉だと思います。
講師講師
そのとおりです。SWOT分析は強み・弱み・機会・脅威の四つで状況を整理する手法で、機会と脅威は自社の外で起きていること、つまり外部環境の要素です。自社の内部にある能力を指すコアコンピタンスとは、対象が逆になります。
受験者受験者
すると、他社との競争優位の源泉となる経営資源及び企業能力という選択肢が正解ですね。内部にあって、競争で勝つもとになる能力なので。
講師講師
正解です。コアコンピタンスは長年の企業活動で積み上げた技術やノウハウなどからなり、他社がまねしにくい中核的な能力です。顧客に価値を届けるうえで大きな役割を果たし、複数の事業に広げて使えるという特徴もあります。
受験者受験者
整理すると、理念は考え方、目標はこれから目指す成果、機会と脅威は外の環境、コアコンピタンスは内側にある他社がまねしにくい強み、ということですね。
講師講師
よくまとまっています。補足すると、コアコンピタンスはプラハラッドとハメルが提唱した概念として知られ、SWOT分析に当てはめると内部環境の「強み」の側に位置づけられます。この問題では機会と脅威の選択肢が外部環境にあたるので、「内部か外部か」で切り分けると迷わず選べます。

まとめ

コアコンピタンスとは、他社との競争優位の源泉となる、他社がまねしにくい自社独自の中核的な能力です。長年蓄積した技術やノウハウなどからなり、顧客への価値提供に大きく寄与し、複数の事業に展開できます。基本精神や行動指針は経営理念、事業戦略で達成すべき到達目標は経営目標を指します。機会と脅威はSWOT分析の外部環境の要素で、内部の強みにあたるコアコンピタンスとは区別して考えます。

解答・解説

正解はエです

この問題のテーマ

経営戦略の用語のうち、コアコンピタンスの定義を問う問題です。企業理念・経営目標・外部環境分析といった似た言葉と区別できるかがポイントです。

解き方の考え方

コアコンピタンスは「中核的な能力」という意味で、他社がまねしにくい自社独自の強みを指します。そこで、各選択肢が「理念」「目標」「外部環境」「内部の能力」のどれを説明しているかを見分けます。自社の内側にあり、競争で優位に立つもとになる能力を述べている選択肢を選べば正解にたどり着けます。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  経営活動における基本精神や行動指針
    アの「基本精神や行動指針」は、経営理念(企業理念)の説明です。経営理念は、企業が何のために存在し、どんな考え方で行動するかを示すものです。競争に勝つための能力そのものを指すわけではありません。
  2. ×イ  事業戦略の遂行によって達成すべき到達目標
    イの「事業戦略の遂行によって達成すべき到達目標」は、経営目標の説明です。経営目標は、売上高や市場占有率など、これから達成したい成果を表すものです。今すでに持っている強みであるコアコンピタンスとは性質が違います。
  3. ×ウ  自社を取り巻く環境に関するビジネス上の機会と脅威
    ウの「ビジネス上の機会と脅威」は、SWOT分析でいう外部環境(Opportunity・Threat)に当たります。これは自社の外で起きていることの分析です。自社の内部にある能力を指すコアコンピタンスとは対象が逆になります。
  4. ○エ  他社との競争優位の源泉となる経営資源及び企業能力
    エの「競争優位の源泉となる経営資源及び企業能力」は、コアコンピタンスの定義にそのまま当てはまります。コアコンピタンスは、長年の企業活動で積み上げた技術やノウハウなどからなり、他社がまねしにくい中核的な能力です。顧客に価値を届けるうえで大きな役割を果たし、複数の事業に広げて使えるという特徴もあります。

補足

コアコンピタンスはPrahaladとHamelが提唱した概念として知られています。SWOT分析に当てはめると、内部環境の「強み」の側に位置づけられます。選択肢にSWOT分析の外部環境(機会・脅威)が混ざっていることがあるので、「内部か外部か」で切り分けるとよいでしょう。

POINT

  • コアコンピタンスとは、競争優位の源泉となる、他社がまねしにくい自社独自の中核的な能力のことです。
  • コアコンピタンスは長年蓄積した技術やノウハウなどからなり、顧客への価値提供に大きく寄与し、複数の市場や事業に展開できます。
  • 基本精神や行動指針は経営理念、事業戦略で達成すべき到達目標は経営目標を指します。
  • 機会と脅威はSWOT分析の外部環境の要素で、自社内部の能力とは区別します。

※出典:令和6年度 基本情報技術者試験 科目A 問16