マナビング基本情報技術者

目標利益を出すのに必要な客数を限界利益で求める

基本情報技術者試験 令和7年度 問19 / 企業活動 › 会計・財務

過去問にチャレンジ

令和7年度 問19

表の条件で喫茶店を開業したい。月10万円の利益を出すためには,1客席当たり1日平均何人の客が必要か。

令和7年度 問19の図
  1. ア

    3.75

  2. イ

    4

  3. ウ

    4.2

  4. エ

    5

会話形式の解説

講師講師
今回は、目標の利益を出すのに必要な客数を求める損益計算です。CVP分析と呼ばれる考え方で、費用・販売量・利益の関係を見ます。注目点は二つあります。客1人当たりで実際にいくら残るかと、最後に月の客数を「1客席・1日当たり」に直すところです。
受験者受験者
表を見ると、客1人当たりの売上高が500円、固定費が月30万円です。30万円に10万円を足した40万円を500円で割って800人、と考えました。
講師講師
惜しいです。客1人から500円入っても、変動費の100円が出ていきます。変動費は客数に比例して増える費用のことです。売上高から変動費を引いた額を限界利益といい、固定費と利益をまかなえるのはこの部分だけです。
受験者受験者
では、1人当たりの限界利益は500-100で400円ですね。40万円を400円で割ると、月に1,000人が必要になります。
講師講師
そのとおりです。あとは営業日数の20日と客席数の10席で割ります。
受験者受験者
1,000÷(20×10)で5人です。最初の私の計算だと800÷200で4人になるので、4人の選択肢は変動費を引き忘れたときの値なのですね。
講師講師
はい。4人だと月800人で、限界利益は800×400=32万円です。固定費を引くと利益は2万円しか残らず、目標に届きません。
受験者受験者
3.75人はどこから出てくるのでしょうか。
講師講師
固定費の30万円だけを400円で割ると750人で、200で割ると3.75人です。限界利益がちょうど固定費と同じになって、利益は0円です。これは損益分岐点、つまり利益も損失も出ない点の客数です。目標利益を足し忘れると、この値を選んでしまいます。
受験者受験者
4.2人は、特定の計算ミスから出る値ではなさそうですね。
講師講師
そう考えてよいです。月840人で限界利益は33万6,000円、利益は3万6,000円なので条件を満たしません。一方、5人なら月1,000人で、売上高50万円から変動費10万円と固定費30万円を引いて、利益はちょうど10万円です。
受験者受験者
必要な数量は「(固定費+目標利益)÷1人当たりの限界利益」で、目標利益を0にすれば損益分岐点になる、ということですね。
講師講師
よく整理できています。売上高で答える問題なら、(固定費+目標利益)÷(1-変動費率)を使います。本問では変動費率が0.2なので、40万円÷0.8=50万円です。客単価で割ると同じく1,000人になります。計算に時間がかかりやすい場合でも、最後に選んだ値で利益が10万円になるか検算すれば、引っかけの選択肢を確実に避けられます。

まとめ

この問題は、限界利益(売上高-変動費)を使って、目標利益を出すのに必要な客数を求めるCVP分析の計算です。客1人当たりの限界利益は500-100=400円で、固定費30万円と目標利益10万円の合計40万円を400円で割ると、月に1,000人が必要です。これを営業日数20日と客席数10席で割ると、1客席1日当たり5人になります。目標利益を入れ忘れると損益分岐点の3.75人になり、変動費を引き忘れると4人になるので注意が必要です。選んだ値で利益が本当に10万円になるかを検算すると確実です。

解答・解説

正解はエです

この問題のテーマ

目標利益を出すのに必要な客数を、限界利益と固定費を使って求める損益計算(CVP分析)の問題です。最後に、月の客数を「1客席・1日当たり」の人数に直せるかも問われます。

解き方の考え方

表の条件は、客1人当たりの売上高500円、変動費100円、固定費は月300,000円、営業日数は月20日、客席数は10席です。まず、客1人当たりの限界利益を売上高-変動費で求めます(500-100=400円)。この限界利益の合計で、固定費と目標利益の両方をまかなう必要があります。そのため、必要な限界利益の総額は300,000+100,000=400,000円です。これを1人当たりの400円で割ると、月の必要客数は1,000人になります。最後に営業日数20日と客席数10席で割り、1,000÷(20×10)=5人となります。方程式で確かめることもできます。1客席1日当たりの客数をNとすると、月の客数は200N人です。500×200N-(100×200N+300,000)=100,000 を整理すると 80,000N=400,000 となり、N=5で正解のエと一致します。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  3.75
    3.75人だと、月の客数は3.75×200=750人です。限界利益は750×400=300,000円で、固定費を回収できるだけなので利益は0円になります。この値は、目標利益10万円を含めずに固定費だけを400円で割ったときに出る数で、損益分岐点に当たる客数です。
  2. ×イ  4
    4人だと、月の客数は800人です。限界利益は800×400=320,000円で、固定費を引いた利益は20,000円にとどまり、目標の10万円に届きません。この値は、400,000円を限界利益の400円ではなく売上高の500円で割ったときに出る数です。変動費を差し引き忘れる典型的な誤りです。
  3. ×ウ  4.2
    4.2人だと、月の客数は4.2×200=840人です。限界利益は840×400=336,000円で、固定費を引いた利益は36,000円です。目標の10万円には届かないので、条件を満たしません。
  4. ○エ  5
    5人なら、月の客数は5×20×10=1,000人です。売上高は500,000円、変動費は100,000円、固定費は300,000円なので、利益は500,000-100,000-300,000=100,000円になります。目標の月10万円にちょうど一致するので、これが正解です。

補足

売上高で答える形式なら、目標利益を出すための売上高は(固定費+目標利益)÷(1-変動費率)で求めます。本問では変動費率が100÷500=0.2なので、400,000÷0.8=500,000円です。客単価500円で割れば1,000人となり、本文の結果と一致します。選択肢には、目標利益を入れ忘れた値(ア)や、変動費を引き忘れた値(イ)が並んでいます。式を立てたら、選んだ値で利益が本当に10万円になるかを検算すると確実です。

POINT

  • 利益は「売上高-(変動費+固定費)」で求めます。限界利益で言い換えると「限界利益-固定費」です。
  • 客1人当たりの限界利益は、客1人当たりの売上高から変動費を引いた額です。
  • 目標利益を出すのに必要な数量は「(固定費+目標利益)÷1人当たりの限界利益」で求めます。
  • 目標利益を0とすれば、同じ式で損益分岐点の数量が求まります。
  • 月の数量を1日・1席当たりに直すときは、営業日数と席数の両方で割ります。

※出典:令和7年度 基本情報技術者試験 科目A 問19(一部改変)